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MGD77データ

ヘッダーレコード

ヘッダーレコードには、調査航海全般に関する情報並びに観測機器、観測方法及びデータ処理の方法に係る情報が記録されている。
ヘッダーレコードは、24個の80バイト長レコードで構成されている。
未使用のフィールドは空白のままとし、文字は左詰めで記入する。

ヘッダーレコードのフォーマット規定:
  1. 全ての小数点は省略される。
  2. 先頭のゼロと空白は同等のものとして扱う。
  3. 未知の、あるいは未使用のフィールドは空白で埋める。
  4. 全ての修正値や補正値(時刻帯修正、地磁気の日変化補正、重力のエトベス補正) は、加算されて使用される。(例:時刻帯の修正値は、GMTを決定するため、データレコードに記録された 時刻に加算すべき時間である。)

ヘッダーレコード(No. 1)

フィールド データ型 項目名 説明
01 整数 レコード型 設定値 "4"(ヘッダーレコード)
02-09 文字 測量識別番号 調査機関によって割り当てられた、 またはアメリカNGDCへのデータの再提出時に同センターが割り当てた測量識別番号。
データレコードで使用される測量識別番号と同じ。
10-14 文字 フォーマット頭字語 設定値 "MGD77"
15-22 整数 データセンターファイル番号 データセンターによって与えられた測量識別番号
23-26   未使用 空白
27-31   測定項目実施コード この測量における各観測項目の実施状況

(フィールド27-31におけるコード)
0 または空白: 不明
1: 測定せず
3: 測定したが、このファイル中には記録せず
5: 測定し、このファイル中に記録
  27   整数   水深 例: 12 kHz または 3.5 kHz を使用
  28   整数   地磁気  
  29   整数   重力  
  30   整数   高分解能音波探査 例: 3.5kHz
  31   整数   高出力音波探査 例: 大型エアガン
32-39 整数 ファイル作成年月日 データレコードの最終更新日 (世紀を含む)
YYYYMMDD
YYYY : 年, MM : 月 , DD : 日
40-78 文字 調査機関 調査機関名
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "01"

ヘッダーレコード(No. 2)

フィールド データ型 項目名 説明
01-18 文字 国名  
19-39 文字 プラットフォームの名称  
40 整数 プラットフォームタイプコード 0: 不明
1: 船舶
2: 潜水船
3: 航空機
4: 浮標
5: 移動地上局(自動車)
6: 固定地上局
7: 曳航装置
8: 海底設置装置
9: その他, 名称をフィールド41-46に記述
41-46 文字 プラットフォームタイプ名 例: "SHIP", "PLANE", "SUB", など
47-78 文字 主任研究者 主任研究者名
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "02"

ヘッダーレコード(No. 3)

フィールド データ型 項目名 説明
01-58 文字 計画 例: "SURVOPS 6-69", "INDOPAC, Leg 3"
59-78 文字 財源 資金出資者(官庁、研究機関など)
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "03"

ヘッダーレコード(No. 4)

フィールド データ型 項目名 説明
01-08 整数 出港年月日 YYYYMMDD
YYYY : 年 , MM : 月 , DD : 日
09-40 文字 出発港 都市名、国名
41-48 整数 入港年月日 YYYYMMDD
YYYY : 年 , MM : 月 , DD : 日
49-78 文字 到着港 都市名、国名
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "04"

ヘッダーレコード(No. 5)

フィールド データ型 項目名 説明
01-40 文字 航海計器 例: "SAT/LORAN A/SEXTANT"
41-78 文字 位置決定方法 例: "WGS84/PRIM - SATELLITE, SEC-LORAN A"
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "05"

ヘッダーレコード(No. 6)

フィールド データ型 項目名 説明
01-40 文字 音響測深機 周波数、ビーム幅、記録器の"sweep speed"のような情報を含む
41-78 文字 測深データのその他の記録物 例: "MICROFILM", "ANALOG RECORDS"
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "06"

ヘッダーレコード(No. 7)

フィールド データ型 項目名 説明
01-40 文字 磁力計 例: "PROTON PRECESSION MAG-GEOMETRICS G-801"
41-78 文字 磁力データのその他の記録物 例: "ANALOG RECORDS"
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "07"

ヘッダーレコード(No. 8)

フィールド データ型 項目名 説明
01-40 文字 重力計 例: "L and R S-26"
41-78 文字 重力データのその他の記録物 例: "MICROFILM", "ANALOG RECORDS"
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "08"

ヘッダーレコード(No. 9)

フィールド データ型 項目名 説明
01-40 文字 音波探査装置 音源、周波数帯、チャンネル数の情報を含む (例: "1700 cu. in., AIRGUN, 8-62 Hz, 36 CHANNELS")
41-78 文字 音波探査記録の形態 例: "DIGITAL", "MICROFILM", "NEGATIVES" など
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "09"

ヘッダーレコード(No. 10)

フィールド データ型 項目名 説明
01 文字 フォーマットタイプ 設定値 "A":整数型、浮動小数点型、文字(英数字)型を含むことを意味する
02-75 文字 フォーマット記述 FORTRAN形式でのデータ部フォーマットの記述
以下のとおり設定:
"(I1,A8,I3,I4,3I2,F5.3,F8.5,F9.5,I1,F6.4,F6.1,I2,I1,3F6.1,I1,F5.1,F6.0,F7.1,"
(次のレコードに続く)
76-78   未使用 空白
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "10"

ヘッダーレコード(No. 11)

フィールド データ型 項目名 説明
01-19 文字 フォーマット記述 前レコードの続き。以下のとおり設定:
"F6.1,F5.1,A5,A6,I1)"
20-40   未使用 空白
41-43 整数 測量海域の最上端の緯度 単位は度*
44-46 整数 測量海域の最下端の緯度 単位は度*
47-50 整数 測量海域の最左端の経度 単位は度*
51-54 整数 測量海域の最右端の経度 単位は度*
55-78   未使用 空白
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "11"

ヘッダーレコード(No. 12)

フィールド データ型 項目名 説明
01-03 実数 水深値収録間隔 単位は 分 1/10位まで
データレコードへの収録間隔 (例: 5分間隔の場合、設定値は "050")
04-15 文字 水深値計測間隔 測深機に依存する値(例: "1/SECOND")
16-20 実数 仮定した水中音速度 単位は メートル毎秒(m/sec) 1/10位まで
歴史的にアメリカではこの速度は 800 fathoms/sec = 1463.0 m/sec だが、 いくつかの記録器では 1500.0 m/sec に補正されている
(例: 1463.0 m/sec の場合、設定値は "14630")
21-22 整数 水深基準面コード 00: 未補正(海面)
01: 最低低潮面
02: 平均低低潮面
03: 既往最低潮面
04: 大潮平均低低潮面
05: インド大低潮面
06: 大潮平均低潮面
07: 平均水面
08: 平均低潮面
09: 赤道大潮低潮面
10: 回帰低低潮面
11: 最低天文潮面
88: その他-追加のドキュメント(ヘッダーレコードNo.19~No.24)で明記
23-78 文字 内挿法 データレコードで水深値に内挿値が使用された場合、その値の算出に使用された内挿法を記述する (例: "5-MINUTE INTERVALS AND PEAKS AND TROUGHS")
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "12"

ヘッダーレコード(No. 13)

フィールド データ型 項目名 説明
01-03 実数 磁力値収録間隔 単位は 分 1/10位まで
データレコードへの収録間隔
04-05 整数 磁力値計測間隔 単位は 秒
磁力計に依存する値 (例: 3秒間隔の場合、設定値は "03")
06-09 整数 磁力センサー曳航距離 単位は メートル
測位点から磁力センサーまでの距離
10-14 実数 磁力センサー深度 単位は メートル 1/10位まで
磁力センサーの推定深度
15-17 整数 磁力センサーの水平間隔 単位は メートル
2つのセンサーを使用した場合に記述
18-19 整数 標準磁場コード 磁気異常を決定するために使用した標準磁場のコード:
00: 未使用
01: AWC 70
02: AWC 75
03: IGRF-65
04: IGRF-75
05: GSFC-1266
06: GSFC (POGO) 0674
07: UK 75
08: POGO 0368
09: POGO 1068
10: POGO 0869
11: IGRF-80
12: IGRF-85
13: IGRF-90
14: IGRF-95
15: IGRF-00
88: その他、内容はフィールド20-31に記述
20-31 文字 標準磁場モデル名 例: "IGRF-85"
32-78 文字 磁気異常値の算出法 磁気異常値の算出に用いた方法の記述 (例: "LINEAR INTERP. in 60-mile SQUARE")
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "13"

ヘッダーレコード(No. 14)

フィールド データ型 項目名 説明
01-03 実数 重力値収録間隔 単位は 分 1/10位まで
データレコードへの収録間隔
04-05 整数 重力値計測間隔 単位は 秒
重力計に依存する値であり、連続的に計測した場合は "00" に設定する
06 整数 正規重力計算式コード 1: Heiskanen 1924
2: International 1930
3: IAG System 1967
4: IAG System 1980
8: その他、内容はフィールド07-23に記述
07-23 文字 正規重力計算式の名称 例: "INTERNATIONAL '30", "IAG SYSTEM (1967)", など
24 整数 基準系コード 1: Local system、内容はフィールド25-40に記述
2: Potsdam system
3: System IGSN 71
9: その他、内容はフィールド25-40に記述
25-40 文字 基準系の記述 例: "POTSDAM SYSTEM","SYSTEM IGSN 71" など
41-78 文字 補正適用法 ドリフトやバイアスなどの補正に関する記述 (例: "+0.075 MGAL PER DAY")
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "14"

ヘッダーレコード(No. 15)

フィールド データ型 項目名 説明
01-07 実数 出発地点の重力値 海面上の値 単位は ミリガル 1/10位まで
08-40 文字 出発地点の記述 出発地点の名称、番号
41-47 実数 到着地点の重力値 海面上の値 単位は ミリガル 1/10位まで
48-78 文字 到着地点の記述 到着地点の名称、番号
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "15"

ヘッダーレコード(No. 16)

フィールド データ型 項目名 説明
01-02 整数 10度メッシュ区域の数* 測量区域が含まれる、10度メッシュ区域(リストは後述)の数。
なお、コード "9999" は数に入れない。 (付録A参照)
03   未使用 空白
04-78 整数 10度メッシュ区域* 測量区域が含まれる、10度メッシュ区域コード(4桁で表される)のリスト。 カンマ区切り。 (付録A参照)
コード "9999" は、最後の10度メッシュ区域コードの後につける。
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "16"

ヘッダーレコード(No. 17)

フィールド データ型 項目名 説明
01-75 整数 10度メッシュ区域* 10度メッシュ区域コードのリスト。前レコードの続き。
76-78   未使用 空白
79-80 整数 レコード通し番号 設定値 "17"

ヘッダーレコード(No. 18 ~ No. 24)

フィールド データ型 項目名 説明
01-78 文字 追加記述事項 これまでのヘッダーレコードに含まれない情報を記述する
79-80 整数 レコード通し番号 "18" から "24"

* レコードNo.11 のフィールド 41-54 (測量範囲の経緯度)および レコードNo.16~No.17 のフィールド 1-78 (10度メッシュ区域コードの数とリスト)は、ファイル作成時に空白で 埋められていてもよい。 データセンターがMGD77ファイルに含まれるデータの緯度、経度からこれらの値を 算出、決定する。


データレコード

データレコードには、各観測時刻における位置、水深、全磁力、重力及び音波探査情報が記載されている。

データレコードのフォーマット規定:
  1. 全ての小数点は省略される。
  2. 先頭のゼロと空白は同等のものとして扱う。
  3. 未知の、あるいは未使用のフィールドは"9"で埋める。 (空白で埋めてはならない)
  4. 全ての修正値や補正値(時刻帯修正、地磁気の日変化補正、重力のエトベス補正) は、加算されて使用される。 (例:時刻帯の修正値は、GMTを決定するため、記録された時刻に加算すべき 時間である。)
フィールド データ型 項目名 説明
001 整数 レコード型 設定値 "5"(データレコード)
002-009 文字 測量識別番号 調査機関によって割り当てられた、 またはアメリカNGDCへのデータの再提出時に同センターが割り当てた測量識別番号。
ヘッダーレコードで使用される測量識別番号と同じ。
010-012 整数 時刻帯修正値 フィールド13-27の時刻をGMTに修正するために加算すべき値。
単位は 時
フィールド13-27の時刻にGMTを使用している場合は、この欄の値はゼロとなる。
通常、"-13" から "+12" までの値となる。
013-016 整数 観測年。世紀を含む(例:1972)
017-018 整数 観測月(例:5月は、"05"となる)
019-020 整数 観測日
021-022 整数 観測時(00-23)
023-027 実数 分×1000 観測分(例:3.1分の場合、設定値は"03100")
028-035 実数 緯度×100000 +: 北緯; -: 南緯  単位は 度
"-9000000"(-90.00000°)から"9000000"(90.00000°)までの間
036-044 実数 経度×100000 +: 東経; -: 西経  単位は 度
"-18000000"(-180.00000°)から"18000000"(180.00000°)までの間
045 整数 測位タイプコード 経緯度の種類
1: 観測点
3: 補間点
9: 不明
046-051 実数 水深-音波の往復時間 単位は 秒 1/10000位まで
052-057 実数 水深-補正済み深度 単位は メートル 1/10位まで
058-059 整数 水深補正コード 音速度を水深に修正するのに使用された手順を記述する。
01-55: マシューズゾーン(#1-#55)(Matthews' Zones with zone)
59: マシューズゾーン(番号不明)(Matthews' Zones, no zone)
60: 桑原公式(S. Kuwahara Formula)
61: ウィルソン公式(Wilson Formula)
62: デル・グロッソ公式(Del Grosso Formula)
63: カーター表(Carter's Tables)
88: その他(ヘッダーレコードNo.18~No.24の追加記述事項に記載)
97: 1500m/sを使用
98: 手順不明
99: 不明
060 整数 測深タイプコード 水深の種類
1: 実測値
3: 内挿値-方法はヘッダーレコードNo.12に記載
9: 不明
061-066 実数 全磁力値(第1センサー) 単位は ナノテスラ(nT)(=ガンマ) 1/10位まで
第1、または前方センサー用。単一センサーの場合にも使用。
067-072 実数 全磁力値(第2センサー) 単位は ナノテスラ(nT)(=ガンマ) 1/10位まで
第2、または後方センサー用
073-078 実数 磁気異常値 単位は ナノテスラ(nT)(=ガンマ) 1/10位まで
使用した標準磁場はヘッダーレコードNo.13に記載
079 整数 磁気異常値の算出に使用したセンサー 1: 第1、または前方センサー
2: 第2、または後方センサー
9: 不明
080-084 実数 地磁気の日変化補正値 単位は ナノテスラ(nT)(=ガンマ) 1/10位まで
このフィールドが"9"で満たされていれば(例えば、"+9999")、全磁力値と磁気異常値は未補正とする。
また、使用されていれば、全磁力値と磁気異常値は補正済みとする。
085-090 実数 磁気センサーの深度/高度 単位はメートル
+: 水面下
-: 水面上
091-097 実数 重力の実測値 単位は ミリガル 1/10位まで
098-103 実数 エトベス補正値 単位は ミリガル 1/10位まで
E = 7.5 V cosφ sinα + 0.0042 V*V
104-108 実数 フリーエア異常値 単位は ミリガル 1/10位まで
フリーエア異常値=重力値(実測値)-重力値(理論値)
109-113 文字 音波探査-測線番号 音波探査データの照査に使用する
114-119 文字 音波探査-ショットポイント番号  
120 整数 測位精度コード 5: 観測者が疑わしいと判断
6: データセンターが疑わしいと判断
9: 問題なし

付録A 10度メッシュ区域コード

10度メッシュ区域コードは、10度で割り切れる緯線および経線に囲まれる10度四方のメッシュについて、4桁の数字で構成される。
四分球
1桁目の数字は、標準子午線と180度の子午線でつくられる面と、赤道の面で地球を区分した四分球を示す。
第1桁 = 四分球番号(Qc Code)
Qc Code 緯度 経度
1 北緯 東経
3 南緯 東経
5 南緯 西経
7 北緯 西経

10度メッシュ
次の3桁の数字は、10度四方の区域を示す。
第2桁 = 区域を囲む経線のうち、低いほうの緯度(度)の10の位の数字
第3桁 = 区域を囲む緯線のうち、小さいほうの経度(度)の100の位の数字
第4桁 = 区域を囲む緯線のうち、小さいほうの経度(度)の10の位の数字
例:
Qc, Lat., Long., Long.: 10度メッシュ区域コード)
  Qc Lat. Long. Long.
(1) 37°48' S, 4°13' E 3 3 0 0
(2) 21.6°S, 14.3°W 5 2 0 1
(3) 34°28' N, 143°27' W 7 3 1 4
(4) 75°N, 43°E 1 7 0 4