PICES-VIII/TCODE出席報告

JODCニュース No.60(2000.3)から抜粋


  第8回PICES年次総会に併せてTCODE(データ交換専門委員会)が1999年10月18日と同23日にロシアのウラジオストック市において開催されましたので、その概要を報告します。なお、PICESの概要およびTCODEの主な任務についてはJODCニュース No.56の「PICES-VI/TCODE出席報告」(1998年)を参照してください。

1.出席委員等
 日本からは、水産庁の岸田達博士とJODCの長井が委員として出席するとともに、(財)日本水路協会 海洋情報研究センター(MIRC)の永田所長と鈴木主任研究官がオブザーバーとして参加しました。また、日本以外の国からの出席者は以下のとおりです。

カナダ: Mr. Robin Brown(カナダ海洋科学研究所(IOS)) TCODE委員長
中国 : Mr. Ling Tong(水産科学アカデミー黄海水産研究所)
韓国 : Dr. Kee Soo Nam(韓国海洋研究所(KORDI))
ロシア: Dr. Igor Rostov(太平洋海洋学研究所(POI))
Dr. Igor Shevchenko(太平洋水産海洋学研究所(TINRO))
米国 : Dr. Bernard Megrey(海洋水産業務局アラスカ水産科学センター(NOAA))
Dr. Thomas C. Royer(オールド・ドミニオン大学沿岸海洋物理学センター)

2.主な議事内容

1)最近の海洋データ管理活動
 カナダからは、カナダ海洋環境データサービス(MEDS)が「生物・化学データベース」のホームページを作成中である旨の報告がなされました。
 中国からは、中国海洋データセンターのホームページ中にNEAR-GOOS遅延モードデータベースが含まれているとの紹介がなされました。
 日本からは、水路部のホームページに潮汐の当日を含めた3日間の実測値と当日の予測値が公開されたことなどを紹介しました。
 韓国からは、KORDIの運用しているNEAR-GOOSデータサービスの詳しい紹介がありました。
 米国からは、海洋データの抽出・可視化に関係して注目されるソフトウェアーとして "Java OceanAtlas" が紹介されました。
 ロシアからは、極東水文気象研究所(FERHRI)が極東地域の海洋データセンター(RODC)業務をやっていることなどが報告されました。

2)TCODEワークショップ
 昨年TCODEが提案した「データの可視化に関するワークショップ」が会議期間中に開催されましたが、このワークショップではコンピュータを駆使した海洋データの可視化に関する各種研究発表が行われました。また、MIRCからも2編の研究発表がなされました。

3)その他
 PICES/TCODEのホームページのロシアのサイトでのミラーリングを事務局とTINROが協力して試行すること、WG13(北太平洋のCO2)が2000年にJGOFS(全地球海洋フラックス研究計画)と共同で開催する予定のワークショップをTCODEもサポートすることなどが決まりました。

3.次回のPICES会議
 来年の第9回PICES 会議は2000年10月に函館で行われる予定です。


(JODC所長  長井 俊夫)