PICES-VII/TCODE 出席報告
JODCニュース No.58(1993.3)から抜粋
第7回PICES年次総会に併せてTCODE(データ交換技術委員会)が1998年(平成10年)10月18日および同22日に米国アラスカ州フェアバンクス市において開催されましたので、その概要を報告します。なお、PICESの概要およびTCODEの主な任務については、前回の報告(「PICES-VI/TCODE出席報告」 JODCニュース No.56)を参照してください。
日本からは、水産庁の岸田委員とJODCの長井が出席するとともに、(財)日本水路協会 海洋情報研究センターの永田所長がオブザーバーとして参加した。日本以外の国の出席者は以下のとおりである。
カナダ:Mr. Robin M.Brown(海洋科学研究所(IOS))…TCODE委員長
中国 :Mr. Ling Tong(水産科学アカデミー 黄海水産研究所)
韓国 :Dr. Kee Soo Nam(韓国海洋研究所(KORDI))
ロシア:Dr. Igor I. Shevchenko(太平洋水産海洋学研究所(TINRO))
米国 :Dr. Bernard A. Megrey(NOAA海洋水産業務局アラスカ水産科学センター)、
Dr. Thomas C. Royer(オールド・ドミニオン大学
沿岸海洋物理学センター)
2.主な議事内容
(1)各国の現状と関連プロジェクト
日本からはJODCのデータ管理の現状とNEAR-GOOSについて長井が報告し、また、岸田委員から日本近海の漁獲統計について現状が報告された。
(2)組織規則
これまでTCODEの委員長の任期及び責務が決まっていなかったが、今回の総務会(Governing Council)において1998年10月から3年毎にTCODEの委員長を改選すること等が決定された。TCODEではこれを受けて、今後3年間はこれまでどおりMr. R. Brown が委員長を続けることで了承された。
(3)新しい活動項目
次回1999年のPICES会議又は2000年のPICES会議において、「データの可視化(data visualization)に関するワークショップ」をTCODEと他の科学委員会との共催で開催するよう、Dr. Megreyから提案があった。今会議中に気候変動と環境収容力に関する委員会(CCCC)、海洋物理学及び気候委員会(POC)等に話しを持ちかけたところ、共催についての賛同も得ることができたので、Dr. Megrey、Dr. Royer、Dr. Shevchenkoの3名がオーガナイザーとなって準備を進めることとなった。このワークショップは2日間程度とし、例えば、第1日目に研究発表を行い、第2日目にはコンピュータを使ってのデモを行うことが提案されている。
(4)1998年の活動計画
1. CCCC-IP及びGLOBEC-IPOと協力して、GLOBECデータが研究者間で交換され最終保管も確実に行えるようなデータ管理計画を策定する。
2. TCODEのWebページに“海鳥とほ乳類”のページを追加したり、“他のインターネットサイト”のページに海洋研究者一覧の情報を掲載する等の改良を行う。
3. 来年の第8回PICES会議での“データの可視化に関するワークショップ”の開催に向けて諸準備を行う。MONITORタスクチームが進めている“現在進行中のモニター関連活動の詳細なリスト”の作成に協力する。
4. BASSタスクチームが希望している“関連研究航海計画の把握”に協力する。
5. MODELタスクチームが関心を持っている“栄養塩のデータソース”の発掘に協力する。
(5)次回会議予定
次回のPICES第8回総会は、1999年10月11日から17日の間、ロシアのウラジオストックで開催される予定。この総会の前数日間に各種ワークショップも開催される。
(JODC所長 長井)