平成10年度科学技術振興調整費総合研究課題
「炭素循環に関するグローバルマッピングとその高度化に関する国際共同研究」
実施計画
I. 試験研究の全体計画
2. 研究概要
2.3 全球マッピングとモデル化に関する研究
一次生産力及び炭素循環の全球マッピングに関わる諸データについて、高精度の推定及び解析アルゴリズムを作成するとともに、データセットを構築する。一方、個別研究の成果を取りまとめて、全球のマッピング及びモデル化を行う。
-
i) 衛星データの幾何補正手法の高度化と衛星データセットの作成に関する研究
-
(科学技術庁研究開発局、<委託>宇宙開発事業団地球観測データ解析センター)
-
全球観測に有効な広域の地球環境観測衛星のデータを陸域解析に利用するため、標高を考慮して複数のデータを重ね合わせるための精密幾何補正法と雲なしのコンポジット画像作成手段を開発し、OCTSなどの雲なしコンポジットデータセットを作成する。
-
ii) 全球海洋炭素フラックスのモデル化に関する研究
-
(科学技術庁研究開発局、<委託>(社)資源協会・地球科学技術推進機構、
-
通商産業省工業技術院資源環境技術総合研究所、<一部委託>東海大学海洋学部)
-
一次生産及び関連諸量に関するフィールドでの実観測データ及び衛星データと比較するために、全海洋を対象としてクロロフィル及び一次生産力をシミュレーションする。それと併せて、時系列的な解析を行い気候変動が全海洋の炭素循環に及ぼす影響を解析する。特に、一次生産を支配する栄養塩や動植物プランクトンの因子をも考慮した生態系モデルの開発を東海大学海洋学部に、気候変動に応答した海洋環境のモデルを開発する部分を(社)資源協会・地球科学技術推進機構に委託する。
-
iii) 海洋データ及びそれに関係した衛星データのデータベース化に関する研究
-
(運輸省海上保安庁水路部)
-
精査海域において観測されたJGOFS関連の炭素循環関連諸量のデータベース化を行うとともに、それに呼応した衛星データのベース化を実施し、データの標準化を行う。
-
iv) 全球陸域炭素フラックスのモデル化に関する研究
-
(農林水産省農業環境技術研究所、<一部委託>千葉大学環境リモートセンシング研究センター、筑波大学生物科学系)
-
衛星データを基に、炭素フラックスに関するフィールドでの実験データと比較する方法で、全球陸域生態系の一次生産マッピングを行うとともに、時系列的な解析を行い気候変動が全球陸域の植生に及ぼす影響を解析する。一次生産力の主要な要因である全球陸域の光合成有効放射量を推定する部分を千葉大学環境リモートセンシング研究センターに、全球の陸域炭素循環プロセスモデルを開発する部分を筑波大学生物科学系に委託する。
2.4 研究推進
上記の研究の効率的推進のため、研究実施計画、研究実施状況等必要な事項について連絡調整を行う。
i) 国際共同研究に関する協議(科学技術庁科学技術振興局)
ii) 研究推進委員会の開催(科学技術庁研究開発局)