品質管理を実施した処理済みデータは海上保安庁水路部ＪＯＤＣに送付し、データベース化する。

１．歴史データの発掘、整理：ＪＯＤＣに保有されているデータベースを調査し、収録されていない県水試関係の実状について岩手県水産技術センターを中心に調査し　た。　

（１）メタデータ付加に関する調査：岩手県水産技術センター・東大大槌臨海実験場を訪問し、観測者側についてのメタデータに関する実状・意見を聴取した。また、種々の機会を通じて学識経験者からメタデータ設計上の意見調査を行った。この中にはユーザーの１つとしての数値モデル研究者からの意見聴取を含む。また、文献調査に加えて、米国のＮＯＤＣを訪問する機械やオーストラリアＮＯＤＣ所長ベンサール氏の来訪の機会に、メタデータに関する先進事例の調査を行った。

（２）メタデータから基本設計：各方面の「ユーザの意向調査から要望事項を網羅した形のメタデータ案と、生物的データも含む県水試の観測データに適用可能なメタデータ案を設計した。しかし、後者にしても観測者に大きな負担をかけることが考えられるので、次年次以降に実際のメタデータ作成作業を行いながら、より実用的な案を作成する。

（３）海洋学と統計学に照らし合わせた品質管理手法の概念設計：

　観測現場でも適用できるようなデータのＱＣプログラムの開発を行った。観測点位置や時刻のような基本項目を船速チェック等の手法で計算機のディスプレイ上でミスタイプの発見や訂正を行い、各種の量の鉛直プロファイルをやはりディスプレイ上で検討する能力を備えたプログラムである。

　基本的には平成９年度の研究を継続するが、本研究プロジェクト参加各機関が生産する海洋データが利用可能となると考えられるので、より具体的な品質管理手法を開発し、データセットの作成作業に進むことを計画している。

　上記の米国ＮＯＤＣやオーストラリアＮＯＤＣ等と協力関係にあるが、このほか海洋データ関連の会議やワークショップに積極的参加し、情報交換に努めている。