平成11年度第1回「モデル化及びデータ管理」分科会
議 事 録
<日時・場所>
日時:平成11年7月5日 14:00より17:45まで
場所:水路部6階会議室
<出席者>
(分科会委員)
遠藤昌宏分科会主査(海洋科学技術センター)、杉ノ原 伸夫(東京大学)、石崎
廣(気象研)、
須賀利雄(東北大学)、岩田 静夫:永田 豊代理(日本水路協会海洋情報研究センター)、
吉岡 典哉(気象庁)、渡邊朝生(遠洋水研)、道田 豊(水路部)、寄高博行(水路部)、
高芝 利博(水路部JODC)
(欠席委員) 深沢 理郎(東海大学)、安田 一郎(東京大学)、滝沢 隆俊(海洋科学技術センター)
(オブザーバー)
古川博康(科学技術庁) 、佐藤 敏(水路部海洋情報課)
(事務局:海洋情報課) 高芝(委員兼務)、溝部
<議事概要>
1.議事録確認 事務局(高芝)より前回議事録案についての意見等を求めたところ特段の意見なく了承された。
2. 推進委員会報告 中間評価に向け遠藤主査から推進委員会の報告とスケジュールが説明された。今後は分科会と しての評価のためのまとめの案を頂いてとりまとめ後、全体の方向及び各自の自己評価をまとめ て出すこととしたい。また、科学技術庁オブザーバーから、他の研究事業の評価のあり方の説明 があった。
3. シンポジウムについて 高芝より資料5によりシンポジウムの説明がおこなわれた。 ・開催日の9/16日は未確定 ・月刊誌「海洋」に投稿し10月末に出版するため、原稿は8月末までに提出願いたい。それに 併せてスケジュールを整理する。 ・主査:投稿するにあたりシンポジウムのみでなく、全体成果を盛り込みたいが、データ管理関 係の課題(気象庁、JODC、MIRCの共同で)の成果も併せて資料としてまとめたいので、 窓口の安田さんにお願いし、投稿することとしたい。(課題名は今後の検討) *後日、主査及び執筆担当者間の調整で“亜寒帯循環データベースの構築と管理”に決まった。 なお、執筆は永田委員が行うこととし、吉岡委員、高芝委員から適宜掲載資料の提供を受ける事 となった。 ・吉岡委員から、シンポジウムへ提出する要旨に、プロジェクトのHPアドレスを入れてはとの 提案があった。 ・主査からの意見として、研究要旨の印刷に間に合うのであれば、HPにアドレスをいれること も考えられるとの意見がだされた。 ・現実的対応として、ホームページを公開するに当たっては、データポリシー等の取り決めを考 慮しその辺の取り扱いは十分な注意を要することとなった。
4.評価の進め方として科学技術庁の古川オブザーバーから資料4の説明が行われた。 内容は基本的には前回に前任者が行ったものと変更ないが、SAGE全体の中での第4分科会 の成果を、また分科会の中での各事業の成果の役割等を分かりやすく書くこととされたいとのこ と。 ・作成要領の「A成果の概要」には、全体への寄与も書くこと。 ・今後のスケジュールにつて、推進委員会で決まった日程が説明された。 ・9/16(未確定)海洋学会シンポジウムが行われる日に併せて研究評価資料を幹事会で評価 する。 ・研究評価資料は推進委員会当日に推進委員へ渡すこととし、10月1日までに科学技術庁に提 出する。 ・研究評価書とは別に、研究成果を11月末に科学技術庁の冊子にまとめることとしており、1 〜2月にその後の実行計画をまとめる。 ・評価WG以降の日程は推進委員会の議事録の日程で進める。(議事録日程参考)
5.資料3により研究成果について各委員から資料に基づき説明及び質疑応答が行われた。 @ データ解析とデータ解析手法の開発 (深沢 理郎委員欠席ため杉之原委員から資料に基づき説明が行われた) 現在のモデルでは従来と違う結果はでなかった。 A インバースモデルの開発 (杉ノ原 伸夫) ・ slope convectionの導入等について説明が行われた。 ・インバースモデルにつてはモデルの改良が必要なことが分かり新しいモデルの開発を行った。 ・成果については、世界海洋モデルを実行し、従来にない程の現実的な中深層の水温・塩分の値 と分布を再現することが出来た。 B北太平洋大循環モデルによる亜寒帯循環系の構造とその変動に関する研究 (石崎 廣) ・中層低塩分水の水塊形成への中規模渦の寄与を解明するための実験について説明があった。 ・海面素過程のモデル化では粗い格子のモデルを導入してテストを行い良好な結果を得た。 ・シミュレーションでは黒潮の現実的離岸や日本南岸での流路の再現及び遷移等に実験・解析を 行った。 ・1/4度程度のメッシュサイズでは、中規模渦による拡散効果をはっきりと見ることは難しい のではないかという意見がだされた。 (須賀 利雄) ・WOA(1994)のデータ及びWOCEのデータ等も使用して、海洋気候値データを構築し た。 ・等密度面平均による新たな気候値データセットを構築することが出来た。
C モデリング結果等の利用促進に関する研究 (吉岡 典哉) ・昨年来のホームページアクセス件数が、紹介された。 ・データポリシーが決まりCSR等のデータを流通させる体制は整った。 ・平成11年度成果CD−ROMは須賀委員の気候値データセットを記録することになった。 (11月末までに気象庁に渡す) D 海洋データの管理及び情報提供の推進 (高芝 利博) ・オンラインでデータの収集が出来るようにした。これにより、提供者及びJODCの業務の効 率化が図られた。 ・JODC新フォーマット、NOP及びCSRのオンラインデータ登録が説明された。 ・科技庁から、SAGEとしての研究成果と、いわゆるデータセンターとしての業務との違いが 明確に分かるように評価書に書くようにとの意見がだされた。(SAGEに貢献する部分を明確 にするように) ・主査:JODCにはSAGEとしてどのようなデータが集まっているか分かるかとの質問があ り、HPから閲覧できる旨説明がなされた。 E 高精度海洋データ整備のための品質管理手法の開発研究 (岩田静夫) ・亜寒帯域の歴史データを発掘した。データはJODC収録済みのものと、未収録データとして 岩手水産試験場のデータ(1971〜1995)の中から亜寒帯循環の解明に重要なデータを用 いた。 ・古川オブザーバーよりMIRCと須賀委員の品質管理はどのように違うのかとの質問があり、 須賀委員から、この品質管理はデータセットを用いるための一過程で用いたものであり、MIRC のものは、今後SAGEデータに対し使っていこうという品質管理手法自体の研究であるとの説 明がなされた。 ・渡辺委員から、SAGE以外のデータについての品質管理は可能なのかとの質問があり、岩田 (MIRC)代理委員より限定的(プロファイルチェックが)に可能であるとの説明がなされた。 ・主査より品質管理自体のポリシー的なものの取り決めの必要性があるとの意見が出された。 ・JODCにおける品質管理の可能性の討議に対し、道田委員より、データセンターでのプロフ ァイルチェックは不可能である旨説明があった。 ・主査:いずれにしろ、データセンター等で効率的な品質管理が出来る訳ではなく、品質管理に ついての責任はまずはユーザー側の責任になるのだろう。 ・主査:JODCが自動的に判定するのは難しいが、ある程度の品質管理が出来ればより良いの だが。 ・主査:データ生産者としての品質管理自体がJODCに出す時にプロジェクト毎に異なること も問題だ。 ・渡辺:水産高校では、いかにしてプロファイルチェックを行うかが課題になっているとのこと である。 ・主査:情報は取った者しか分からないので、データ精度について自己申告的なものが必要だろ う。
5.その他 ・杉ノ原:評価書をまとめる上で、現在のモデルの説明は細かすぎるので、評価書を書く上で書 きやすいもにした方がいいだろう。もう一度、実施計画書を参考にして見直す必要がある。 ・科学技術庁:プロジェクトの中で個々の事業の位置付けを明確にしほしい。全体計画の中で書 く課題がどのように統合されているのかがわかるように。 ・次回分科会は9月22日水曜日に決まった。 ・シンポジウム時に行われる幹事会の検討結果を報告してもらうこととする。 ・評価用研究成果資料は、10月1日までに科学技術庁に提出することとなった。
以 上