------------------------------------------------------- PICES-VI/TCODE出席報告(JODCニュース No.56 より転載)
第 6回PICES年次総会に併せてTCODE(データ交換専門委員会)が平成 9年10月18日と同23日に韓国の釜山市において開 催されましたので、その概要を報告します。
1. PICESについて
PICES(北太平洋海洋科学機構)は 1992年に設立された政 府間条約機関です。加盟国は、現在、カナダ・中国・日本・ 韓国・ロシア及び米国の6か国であり、この事務局はカナダ・ シドニー市の海洋科学研究所にあります。インターネットの PICESホームページもこの事務局により運営されており、 そのアドレスは http://pices.ios.bc.ca/ です。
PICESの主な目的は以下の通りです。
○ 北緯30度以北の北太平洋及びその周辺海域の海洋研究の調整 ○ 海洋環境、全地球の天気・気候変動、生物資源と生態系並び に人間活動による影響に関する科学知識の増進 ○ これらの科学情報の収集と素早い交換
2. TCODE
TCODEの仕事は、PICESに必要なデータ管理要請の把握、戦略 の策定、PICES のデータ交換活動に関して事務局に勧告を行う こと、などです。TCODE は前半の会合が10月18日に、後半の会合が10月23日に開催されました。日本からは水産庁の原委員が 両日参加するとともに、JODCの長井は前半の会合に出席し、後 半の会合には(財)日本水路協会海洋情報研究センター(MIRC) の永田所長が参加しました。
参加委員等(代理出席を含む)は 以下のとおりです。
カナダ:Mr.Robin M.Brown(カナダ海洋科学研究所)…TCODE委員長 中 国:Mr.Ling Tong(水産科学アカデミー黄海水産研究所) 日 本:原一郎博士(水産庁中央水産研究所)、長井俊夫(JODC)、永田豊博士(MIRC) 韓 国:Dr.Sangbok D. Hahn(国立水産振興院(韓国海洋データセンター) ロシア:Dr.Lobanov(太平洋海洋学研究所)、Dr. Shevchenko(太平洋水産研究センター) 米 国:Dr.William A. Karp(NOAA 海洋水産業務局アラスカ水産科学センター)、 Dr. Thomas C. Royer(オールド・ドミニオン大学沿岸海洋物理学センター)
委員会では、長期観測データのインベントリー、他のインタ ーネット資源の活用方法、ベーリング海のメタ ・ データベース 計画への協力、海洋情報研究センター(MIRC)の業務紹介、 CCCC計画のデータ管理方法、委員相互の通信手段、 1997〜 1998年の活動計画、TCODE議長の任期等について意見交換がおこなわれました。
特に1997〜1998年の具体的な活動計画に関しては、次の 4つ のアクションを取ることが決まりました。
○ PICESホームページの長期観測データのインベントリーを完成させること ○ PICES研究者が関心を持つインターネット資源のリストを拡充すること ○ PICESの長期観測データインベントリーをベーリング海の生態系メタデータ ベースにマージする可能性を検討すること ○ PICES加盟国の適当なコンタクトポイントを設定することにより、ベーリン グ海の生態系メタデータベースの収集について援助すること
なお、次回のPICES会議は1998年にアラスカで開催される予定です