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  *             必ず初めにお読み下さい             *
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本CD-ROMには
1  気象庁全球モデルの物理診断データ
およびこれを表示するためのソフトウェアとして
2  GrADS(IBM-PC,Macintosh用の各バージョン)
を収録しています。データとGrADS関連ファイルは2個のディレクトリ
(Macintoshの場合はフォルダ、以下同様)にわけて格納し、さらにデータ
は月別に、また、GrADS関連ファイルは機種別に各々のディレクトリに
格納しています。以下は利用の際の注意事項です。

1 気象庁全球モデル物理診断データについて

(1)収録したデータの仕様
データは各月の1日00UTCから、以降6時間毎の格子点予報値の6時間平均値
(ただし、可降水量のみ各時刻の解析による瞬間値)で、解像度は緯度経度
とも2.5度間隔です。水蒸気フラックス(uwv, vwv)および可降水量(tpw)は
数値モデルの各レベルの値を用いて鉛直積分しています。要素毎に一か月
分を1ファイルにまとめ、月別のディレクトリに収録しています。データを
格納したファイル名は要素名+拡張子(.dat)です。このほかに
要素名+拡張子(.ctl)というファイルを同じディレクトリに同数収録して
います。これはGrADSでデータを表示する際に必要なファイルです。
詳しくは2をおよみ下さい。

(2)収録した要素
要素名	データの内容				単位
rof	流出量					[m/day]
fllh	潜熱					[W/m**2]
flsh	顕熱					[W/m**2]
ltrs	蒸散					[W/m**2]
lint	遮断損失				[W/m**2]
rrc	降水(対流)				[mm/day]
rrl	降水(大規模凝結)			[mm/day]
uwv	水蒸気水平フラックス x			[m/s]
vwv	水蒸気水平フラックス y			[m/s]
rsub	地表面での放射フラックス(短波上向き)	[W/m**2]
rsdb	地表面での放射フラックス(短波下向き)	[W/m**2]
rlub	地表面での放射フラックス(長波上向き)	[W/m**2]
rldb	地表面での放射フラックス(長波下向き)	[W/m**2]
rsut	大気上端での放射フラックス(短波上向き)	[W/m**2]
rsdt	大気上端での放射フラックス(短波下向き)	[W/m**2]
rlut	大気上端での放射フラックス(長波上向き)	[W/m**2]
cla	全雲量
rcsb	雲放射強制力(短波地表面)		[W/m**2]
rclb	雲放射強制力(長波地表面)		[W/m**2]
tpw	可降水量(snap shot)			[kg/m**2]

(3)データの形式
 データは4バイト浮動小数点形式で、(90N,0E)を始点に、西から東へ、
ついで北から南へ順に格納しています。2.5度間隔の全球データですから、
東西方向は144回、南北は73回の繰り返しとなります。データ読み込みの
サンプルプログラム(IBM-DOS用)を付録に示します。参考にしてください。

(4)データの不具合
 収録したデータは日々の全球モデル出力から得られたものですが、
保存時の不具合により次の様な一部不正確なデータがあります。
rcsb	雲放射強制力(短波地表面)
cla	全雲量
	いずれも6時間平均値であるが、最初の1時間分がカウントされて
	おらず、本来の値のおよそ5/6程度になっている。

rclb	雲放射強制力(長波地表面)
	いずれも6時間平均値であるが、最初の3時間分がカウントされて
	おらず、本来の値のおよそ3/6程度になっている。

これらのデータに限らず、各データは全球モデルの本来の出力に対し常に
微小量の誤差を含んでおり、例えば、定義上は正の値しか取らないデータ
であっても、微小な負の値になっていることがあります。


2 GrADSについて

 GrADS(the Grid Analysis and Display System)はBrian E. Doty(Center 
for Ocean-Land Atmosphere Interactions, University of Maryland)に
よって開発されたデータ表示ソフトウェアです。著作権、インストールの
方法、使用方法などについて、必ず付属のドキュメントファイルを読んだ
上でご利用願います。

本CD-ROMにはIBM-PC DOS,Macintosh 用のGrADSを収録しています。いずれ
もβバージョンであることに注意の上、ご利用願います。またMacintosh用
としてはMacLHAで各ファイルをアーカイブしたファイルをMacGZIPで圧縮
して収録しています。使用の際は、MacGZIPまたは互換ソフトウェアで展開
した後、MacLHAで解凍して下さい。ただし、MacLHAは同様にMacGZIPで圧縮
して収録していますので、必要な場合は展開してご利用下さい。

 UNIXバージョンや最新バージョンが必要な場合は、次のサイトからFTPで
入手することができます。
	http://grads.iges.org/


3  著作権など

 本CD-ROMは、科学技術庁(Science and Technology Agency)の海洋開発
及地球科学技術調査研究促進費による地球科学技術特定調査研究「アジア
モンスーン機構に関する研究」(Japanese Experiment on Asian Monsoon,
略称JEXAM)の成果の一部として、気象庁数値予報課(Numerical 
Prediction Division, Japan Meteorological Agency)が作成したもの
です。本CD-ROMを利用した成果には、その旨明示して下さるようお願い
します。

 本CD-ROMに収録した気象庁全球モデルデータの著作権は気象庁に帰属
します。利用は非営利目的に限ります。また、本データを利用した成果
には、気象庁提供データであることを明示してください。
 収録されたデータを利用した結果は利用者の責任によるものとし、
気象庁はいかなる保証もしないことをご了解下さい。

 本CD-ROMに収録したデータ表示ソフトウェアGrADSの著作権はB.E.Dotyに
帰属します。使用による結果については利用者の責任によるものとし、
開発者および気象庁はいかなる保証もしないことをご了解ください。

本CD-ROMに収録した圧縮ソフトウェアMacLHAの著作権は石崎一明氏に帰属
します。付属のドキュメントファイルを事前に読んだ上でご利用下さい。
使用による結果については利用者の責任によるものとし、開発者および
気象庁はいかなる保証もしないことをご了解下さい。

 本CD-ROMの内容に関する問い合わせは気象庁数値予報課まで。


<付録1>

データを読み込むためのC言語の関数。IBM-PC用に、バイト反転をしている。
RISCチップなど非インテル系のCPUを用いたシステム(UNIX,Macintoshなど)
では、反転なしで用いる。

/********************************************/
/* 1時刻分の全球データを読み込む関数        */
/* データファイルには全雲量を指定           */
/* エラー処理などは省略している             */
/* timeには、月の何回めのデータかを指定する */
/*      0 <= time < 月の日数*4              */
/********************************************/
#include <stdio.h>
#define IM 144
#define JM  73
#define SEEK_SET 0

void reverse_b(char*, int);

int dataread(int time,float data[])
{
	FILE *fp;
	char *d;
	d = (char*)data;
	fp = fopen("cla.dat","r");
	fseek(fp,time*IM*JM*sizeof(float),SEEK_SET);
	fread(data,sizeof(float),IM*JM,fp);
	reverse_b(data,IM*JM);
	fclose(fp);
	return;
}

/**************************/
/* バイト反転のための関数 */
/**************************/
void reverse_b(char *d, int num)
{
	int i;
	char *dd;
	char tmp;
	dd = d;
	for (i = 0; i < num; i++) {
                tmp = dd[0]; dd[0] = dd[3]; dd[3] = tmp;
                tmp = dd[1]; dd[1] = dd[2]; dd[2] = tmp;
                dd += 4;
	}
}
/********************************/
/* サンプルプログラムはここまで */
/********************************/


<付録2>

収録されているデータを表示するには、GrADSをインストールした上で、
カレントディレクトリをデータ(拡張子.datをもつファイル)およびコント
ロールファイル(拡張子.ctl)のあるディレクトリにします。そこで、

	$ grads -l

とタイプします。するとGrADSのプロンプト(ga>)が表示されます。次に、

	ga> open rof.ctl
	ga> set t 1 4
	ga> d rof

とすると、流出量データの1日(4回)分が表示されます。月平均値(31日124回)
をみる場合は

	ga> clear
	ga> d ave(rof,t=1,t=124)

などとします。

 なお、収録しているコントロールファイルはIBM-PC用のファイルであり、
Macintoshで用いる場合は、形式の変換(行末処理)が必要となります。また、
非インテル系のCPUを用いたシステム(UNIX,Macintoshなど)では
オプションの

OPTIONS BYTESWAPPED

の1行の削除が必要となります。具体的には下の例を参考にしてください。

DSET ^cla.dat
UNDEF 0
OPTIONS YREV
OPTIONS BYTESWAPPED                     <=== この1行を削除
XDEF 144 LINEAR  0.00  2.50
YDEF  73 LINEAR -90.00  2.50
ZDEF   1 LEVELS   9999
TDEF  120 LINEAR  00:00Z01APR1996 06HR
VARS   1
CLA 0  99  全雲量
ENDVARS